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未病を治す

慢性病という言葉はみなさんもよく耳にされると思います。
しかしポピュラーな言葉の割にその意味合いはちょっとややこしく捉え方に注意が必要です。
慢性病とは、文字通り"慢性の経過をたどる病気"のことです。つまり長く続く病気であるという意味です。
慢性病患者とよばれる方々、高血圧などの生活習慣病患者は年々増加傾向にあると言われています。
高齢化がすすむ現代社会背景が大きく影響しているからです。

一言に慢性病と言っても大きく分けて三つの種類があります。
一つは、アレルギーや免疫などの異常が原因で起こる病気です。生まれつきの体質が原因の方もいらっしゃいます。

二つ目は、老化現象です。年齢を重ねるにつれて、体の色々な機能が低下して起こる病気のことです。しかしこれには若いときなどの生活習慣などが大きく関わっています。

外食

そして三つ目は、生活習慣が原因で起こる病気のことです。
慢性病例をあげますと、高血圧や糖尿病などがそれにあたります。
二つ目の老化現象も広い意味ではこの三つ目に含まれます。

しかしながら、厳密に言いますと高血圧にしても糖尿病にしても、血圧が高いとか、血糖値が高いとか、その"症状"自体が問題なのではなく、その状態が長く続いた結果に起こる、体の致命的で危険な状態を招く可能性が問題なのです。

例えば、慢性病例である高血圧などは、長年血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかります。
さらに血液を送り出すポンプである心臓にも負担がかかります。体中の水分をこしている腎臓もくたびれてしまいます。
また慢性病例である糖尿病もそうです。長年血糖値が高い状態が続くと、血管がもろくなったりします。

その結果、急に脳の血管がつまったり、切れたり、抹消の血のめぐりが悪くなって壊疽を起こしたり、命を落とすレベルの危険に見舞われる可能性が大きくなってしまうのです。 ですから、高血圧なら血圧を下げたり、糖尿病なら血糖値をさげる治療やお薬を飲むわけです。

危険な状態に陥るリスクを減らす為に、減らし続けるために、血圧や血糖値を下げる薬を飲み続けるわけです。 しかし、血圧を下げることや、血糖値を下げることは必ずしもその原因を改善することとイコールではありません。 以下に氷山のイラストを書いてみました。

睡眠

海の上に氷山が突き出ているのを想像してみてください。
"氷山の一角"という言葉がありますが、水面上に見える氷山はほんの一部分で、水面下をのぞいてみると大きな氷山の本体があるわけです。

この氷山に病気を例えると、水面上に出ている氷山が"病気の症状"です。 痛いとか、熱があるとか、鼻水が出るとか、血圧が高いとか、血糖値が高いなどの症状がこれにあたります。

そして、水面下にあるこの氷山の本体が、それらの症状を起こしている"病気の原因"なのです。

この氷山の本体の大きさや形は様々です。
つまり、病気の原因も人によって様々なわけなのです。

古来より、東洋医学における漢方薬の治療には標治(ひょうち)と本治(ほんち)という二つの考え方があります。
標治は、今起こっている症状に対する治療のことで、先ほどの氷山の話に例えると水面上に出た氷山の部分にあたります。

風邪であるとか、痛みであるとか、急性のつらい症状を改善することが目的です。
一方、本治とは慢性的な病気や症状に使われる治療方法です。

病気の原因を改善することが目的です。氷山に例えると、水面下の氷山の本体の部分にあたります。

体質を改善したり、体の免疫力を調節したり、抵抗力をを高めたり、その人が元来持っている自然治癒力を応援する形で病気を治療します。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。
理想的なのは標治と本治を組み合わせて、どちらにも対処しつつ治療を行うことであると考えます。

なぜなら、今起こっているつらい症状を改善してあげることも、病気の原因を改善してあげることも病人さんにとってはどちらも大切なことだからです。

西洋医学のお薬は、水面上に出ている氷山、今起こっている病気の症状を抑えることを得意としています。

そして、東洋医学の漢方などのお薬は、水面下の氷山の本体、病気の原因を改善することを得意としているのです。

最近の医療においては、標治に西洋薬を使用し、本治に漢方薬を使用したりすることが増えてきました。

激しい痛みなどには、即効性のある西洋薬の痛み止めなどを使用し、痛みが収まってきたら、その痛みの原因を改善するために漢方薬を使用するような形です。

癌の治療などにおいても、まずは抗がん剤で治療したのち、体力の回復をはかったり、術後の経過をよくするために漢方薬を使うようなケースも増えてきました。

健康診断

さて、ここで一つ付け加えておきたいことがあるのですが、 漢方薬は効き目がおだやかで急性な症状には効果がないと思われがちなのですが、そうではなく、ちゃんと急性症状にも効果があるものがあるのです。

漢方の治療の方法論の中に、汗法(かんほう)吐下法(とげほう)和法(わほう)などの考え方があります。
症状を悪化させている原因である体の中の悪いものを、 汗として発散させたり、尿や便ですみやかに排泄したり、中和したりして解毒を促し改善する方法です。

漢方の中にもこのような考え方で、症状に即効性があるものも沢山あるのです。
東洋医学や漢方の本場である中国などではこのような対処はごく一般的なものなのです。
ただし、中国などでこのような急性期の症状に使用される場合の漢方は日本に比べて非常に量が多く、日本で使われる漢方とは、言ってみれば似て非なるものであることもつけくわえておきます。

さて、慢性病の症状は、一度悪い状態になってしまうとなかなか改善が難しいのが特徴です。その症状が出るまでの背景には長い期間の色々な原因の積み重ねがあるからです。

急がば回れという言葉がありますが、慢性病の症状も、病気の原因の改善をしていくことが結局は近道だと言うわけです。
これを漢方などでは"体質改善"という言葉で表現したりします。
漢方は、病気の原因の改善がとても得意なのです。

特に長引く慢性病の症状に対しては、もっと多くの方々に漢方をおすすめしたいと僕たちは願っています。

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