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漢方と不眠

漢方と不眠

※注 本稿では「漢方」と「東洋医学」という表現を使っていますが、厳密には「漢方」は日本の考え方で、 「東洋医学」は中国医学の考え方というようにおおまかに分けて表現させていただいております。

漢方と冷え

「眠りたいけど眠れない」という事は経験されたことがあるかと思います。
何か心配事があったり、嬉しいことの前で楽しみすぎてだったりと理由は様々だと思いますがそのようなときは数日から数週間のうちにまた自然と眠れるようになっているかと思います。

しかし一か月以上に渡って「眠りたいけど眠れない」の状況が続き眠れないことで、 頭痛やめまい、全身の倦怠感、食欲低下、集中力低下など様々な症状がでてくると不眠症と診断されることが多くあります。

現代医学による不眠症の4つのパターン

・入眠障害: ベッドやお布団に入って寝付くまでにかかる時間を入眠潜時といい、個人差がありますが一般的には10~15分と言われております。しかし毎日、寝付くまでに1時間以上かかってしまい、寝付けないことを苦痛に感じている場合です。例えば6時間寝ようと思って起きる時間から逆算してベットに入っても寝付くまでの時間がかかると睡眠時間は短くなってしまい、睡眠不足にもなってしまいます。

・熟眠障害: しっかり睡眠時間はとったはずだけど、ぐっすりと熟睡したという満足感が得られない状態で朝起きてもスッキリしない日が続く場合です。

・早朝覚醒: めざまし時計をセットしている時間(目を覚ますべき時間)よりも2時間以上も朝早く目が覚め、眠気はあるのに二度寝ができずにそのまま寝れない日が続く場合です。睡眠時間が短くなり、日中に眠たくなるという症状がでてきます。早朝覚醒は年齢があがっていくとこの症状が多くみられます

・中途覚醒: 寝つきはいいのだけど、夜中に何回も目を覚ましてしまう日が週に何日もおきる場合です。夜中にトイレに行きたくて何度も起きる場合は不眠症以外の病気の可能性もあります。深い眠りではなく浅い眠りの状態が多く出現して少しの刺激でも目を覚ましてしまいます。早朝覚醒とは違い、二度寝は出来る状態です。

このような症状があると日中の生活にも支障がでてきてつらいと思います。

現代医学における不眠症の原因

不眠症の原因としては下記のようなことがあげられます。

・心理的要因: 心配ごとや悩みがあり常に考えていたり、ストレスなどが原因の場合

・生理的要因: 時差ボケやシフト制勤務などで寝る時間が不規則な場合

・環境的要因: 部屋が明るい、家族の声やいびきがうるさい、外の音がうるさいなど周りの環境による場合

・病気的要因: 睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など病気が原因の場合

・精神疾患的要因: うつ病など精神疾患病気が原因の場合

東洋医学における不眠症の考え方

健康を考える上で、睡眠はとても大切な要素であることは言うまでもありません。ですから、睡眠が悪くなったり不眠症になると色々な病気の原因になるとも言い換えることができます。ストレス社会と呼ばれる現代社会においても不眠を訴える人は増加していると言われています。こうした不眠症に対して、西洋医学では睡眠導入剤などが処方されます。これは、西洋医学が「不眠」という症状にターゲットを絞っているためであると言えます。それに対して、西洋医学においては、今起こっているいる症状の原因は、その人の体質や身体全体の臓器の働きなどによって、それぞれ異なるものであるという考え方をします。ですから、一言に不眠と言っても、その人その人によって異なるわけです。

不眠症の原因は「火」

これは東洋医学の考え方による独特の表現ですが、不眠症の直接の原因は体のなかに生じた「火(火邪)」であるとされています。「火」は体内に生じた熱のことを表現しています。体内に生じた火・熱には興奮させる性質がありますので、夜眠れなくなるというわけです。このコンテンツでは、不眠を語る上で「火」という表現をしますがそのように捉えていただければと思います。

不眠症の分類「陰陽」と「虚実」

東洋医学の世界では,人体における陰陽消長(いんようしょうちょう)の乱れが不眠の原因になっていると考えます。

陰陽(いんよう)とは、この世の森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の互いに対立する属性に考える、思想で、人間の体の中の働きにも陰と陽が存在すると考えます。

そして陰と陽には移り変わりがあり、互いに変化して全体のバランスをとっています。 例えば、一年間で考えても、夏場は陽気がつよくなり、陰気は弱くなるよう移り変わっていきます。逆に冬場は陰気がつよくなり、陽気が弱くなっていきます。陰陽消長とは、このように陰と陽が移り変わっていくことを示しており、そのリズムが乱れると不眠 をひきおこすという考えというわけです。

さらに詳しく現代の東洋医学においては虚と実に分類して不眠の原因を考察します。

虚実(きょじつ)とは 邪気と正気の闘争の現れのことをさす用語で、東洋医学においては病気に対抗する体力の様子を表現します。 病気に抵抗する体力が低下していて虚している状態、体の内部まで病気が侵入している状態、普段から虚弱な方を「虚証(きょしょう)」と表現します。

その逆に、病気に抵抗する体力が充実している状態、普段から体が丈夫で充実している方を「実証(じつしょう)」と表現します。

虚証における不眠の原因

・陰虚火旺(いんきょかおう)
文字通り、陰が虚して火が旺盛になるという状態を表しています。 あくまでイメージでのお話なのですが、休もうと思っている時に体内でゆらゆらと火が燃えている状態だとよく眠れませんよね。そんな感じです。 ここでいう陰は体内で燃える火を消す水の働きで、それが小さくなって結果的に火の勢いが相対的に増している状態だと思っていただけるとよいかと思います。

これらの原因としては、老化現象であったり、無理をしすぎていたり、働き過ぎていたり、過度なスポーツで衰弱していたり、 セックス過多などの状態があげられます。陰虚の状態になりやすいのです。こんな時はがんばりすぎないことが大切です。

・心脾両虚(しんひりょうきょ)
ここでいう心と脾は、東洋医学でいうところの体内の臓器の働きをいいます (西洋医学の臓器とは違い概念的な働きを指しています。)血を全身に巡らせる働きを持つ「心(しん)」は、全身に血液をめぐらせる働きをもっていて、「脾(ひ)」は、食べ物を消化したり吸収したりする働きで、気と血を生み出す働きをもっています。 心脾両虚とは文字通り、心と、脾の両方が虚してしまった状態のことを表しています。 心は、精神の働きにも影響しており、睡眠にも影響してしまうというわけです。

こららの原因としては、過度のストレスや、思い込みや、考え過ぎなどがあげられます。 帰宅後も仕事のことが頭から離れない人や、ずっと同じことを悩み続けている人などは気分転換などをうまく行うことが必要です。

・心胆気虚(しんたんききょ)
東洋医学においては体内の臓器の働きを五臓六腑で表現しますが、五臓のうち上記であげました心の働きが弱っているのに加えて、六腑のうちの一つである胆が弱っている状態になると不安や恐れなどの感情が強くなり眠れなくなることがあります。

これらの原因は、過度の精神的ストレスや、何かに対する強い恐怖感などがあげられます。

眠れなくなる眠れないタイプの不眠です。漢方薬で気を補いつつ神志を安定させることで対処します。こちらも気分転換や考え方を切り替える必要があります。

実証における不眠の原因

・肝鬱化火(かんうつかか)
東洋医学における体内臓器の働きの五臓のうちの「肝(かん)」が影響している症状です。五臓は、精神状態とも相関していて、肝はイライラの感情と関係しています。肝の働きが鬱滞を生み出してそれが体内に火を生み出している状態のことを表しています。

原因はストレスや過度の緊張によって、怒りっぽくなり体内での「気」めぐりが悪くなり、それが肝に影響して肝鬱の状態になることです。 普段肝は、気のめぐりが悪くなると体の中に渋滞して、それが必要のない熱を生み出してしますのです。普段の生活においても、おおらかな気持ちを持ち、イライラしないように心がけることが必要です。

・痰熱内擾(たんねつないじょう)
東洋医学において「痰(たん)」とは、体内の水分代謝が悪くなり生じた不要な水分のことを表現します。痰がたまってしまう原因は、五臓のうちの「胃」と「脾」の食べ物から栄養をつくりだす働きが悪くなることにあります。そして、たまった痰は熱を発生します。東洋医学では体内にたまった余分なものは熱を発生するといいう考え方をします。

原因は、特に現代人に多いのが食生活の不摂生、食べ過ぎ飲み過ぎです。その他、季節の影響、湿度なども併せて影響を及ぼします。食べ過ぎ飲み過ぎの傾向がある方は、まず第一に食生活の改善が必要です。

漢方ではなぜ眠れないのかの原因をまず追究し、その原因を解決していくことで自然と眠れるようにもっていきます。原因が様々あるように不眠の人が同じ漢方というわけではありません。お一人お一人とじっくりお話しをさせていただき原因にあった漢方薬を処方いたします。

漢方で不眠の原因から解消していくとともに日常生活でも眠りやすい環境をつくることも心がけて頂きたいと思います。

不眠対処の第一歩は先に挙げたようなさまざまな不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。

・規則正しい生活
毎日、同じ時間に起床、就寝するようにして体内時計を整えるようにします。
週末は夜遅くまで起きておくや日曜日は寝だめをするなどは行わずに同じ時間に起きて眠るという行動を心がけてください

・適度な運動
激しい運動ではなく、ちょっと疲れたかなという肉体的疲労は眠りを誘います。
ウォーキングや軽いストレッチなどを行ってください。
まずは一駅歩いてみるなんてことから始めてもいいと思います。

適度な運動

・ストレス解消
ストレスをためるとそれが不眠に繋がっていきますので、趣味を楽しんだりしてストレス解消を行ってください。

ストレス解消

・寝酒(深酒)をしない
深酒をするとすぐにぐっすり眠っているようですが実は熟睡してはいません。
体内にあるアルコール分解にエネルギーを使っているためぐっすり眠っているようですが浅い眠りだったりします。
眠るためにアルコールを摂取することはよくありません。

・○時間寝るを決めない
必ず○時間は眠るなど睡眠時間を決めないようにしてください。
○時間寝なければという意識がすとれすになってしまっている可能性もあります。

・リラックスしてベッドへ
睡眠前にリラックスすると体も心もゆっくりした気分になり睡眠の質があがります。
お風呂にゆっくり入ったり、音楽を聴くなどリラックスタイムをぜひ作ってください

リラックスしてベッドへ

・寝室環境を整える
眠りやすい環境を整えることは重要です。
3つのポイントがあります「温度」「湿度」「音」「明るさ」です。
温度は20度前後がいいと言われておりますが夏は冷房を使う場合は20度は寒すぎますので、25~28℃位に調整してください。
湿度は約50%前後がいいと言われております。
冬は暖房を使うとより乾燥しますので加湿器や保湿器などで調整を行ってください。
音は夜間は少しの音でも響きますので、家族に相談して気を付けるようにしてもらいましょう。
明るさですが、実は真っ暗よりも月明かりくらいのほうが眠りにはいいと言われておりますが、真っ暗でないと眠れないという方は真っ暗でもいいです。明るすぎると脳が刺激されますので、照明にも気を付けてください。
またこれだけではなくアロマオイルをたいてリラックス効果をだしたり、枕の高さを調整したりして自分が快適に眠れる環境を作ってください。

眠れないと日中に眠くなり仕事や勉強に集中できないや疲れがとれないなど支障がでてきます。
元気に過ごすためにはしっかり睡眠をとって疲れをとることは大切です。

眠れないくらいで専門家に相談するのはどうかなと思うと相談を行われない方が多いのですが眠れないのはつらい症状ですのでぜひご相談ください。

睡眠に関して悩まれている方はぜひ一度ご相談ください。専門スタッフがご対応いたします

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